美結城天蓮花麗茶 world tea lover

だいすきなお茶の魅力やお茶についての雑学を書いたブログです。

日本人と紅茶

小さい頃から

当たり前のように飲んできた、紅茶。

でもこれって一体、

いつから日本にあるんだろう。

ふと思い立って調べてみました。

 

■日本人で初めて紅茶を飲んだのは?

日本に「お茶」を飲む習慣が入ってきたのは

7世紀のこと。

遣唐使が日本に持ち帰ったものが始まり、

と言われています。

 

そして紅茶紅茶 Yellowish Greenが日本史上に登場するのは、

もう少し経った、江戸時代徳川家康 

伊勢の船頭であった、

〈大黒屋光太夫〉さんというかたが、

日本人で初めて紅茶を飲んだ人物だそうです。

 

伊勢は白子港から江戸を目指していた光太夫さん。

そうか~その頃は移動も船だよなあなんて、

当たり前のこともなんだか感慨深かった……

 

駿河湾沖で嵐あらし に遭遇し、

ロシアマトリョーシカとアラスカの間にある島に漂着。

先住民族のかたがたに助けられ、

九死に一生を得たそうです。

 

雛人形お雛様や豪華な着物きもの、陶器や金銀金の延棒などを

積んでいた、光太夫の船(輸送船だったのですね)。

当時のロシアでは、

船長や航海士の地位が高かったため、

太夫も身分の高い富裕商人だと勘違いされ、

賓客として扱われたそうです!

 

そしてっ

なんと!

皇帝エカチェリーナII世

(やり手の女帝として有名ですね)に、

日本への帰国を直訴するチャンスをもらえることに。

す、す、すっごい。漫画のよう。

 

日本は金銀が豊富にとれる裕福な国だと

認識されていたため、

ロシア側としても興味津々。

女帝は、光太夫を何度も宮中に招いては、

日本のことを語らせたそうです。

 

シンデレラ城

 

このとき、紅茶を嗜んだのでしょうね。

 

太夫さんというのも、

肝の据わった人物ですよね。

美しく体格の良いロシア人の中に

一人で放り込まれたら、

私なぞ縮み上がって

 

あわわ

 

ただただアワアワしてしまいそう。

ましてや、

ロシアの宮廷だなんて想像もできないような

豪華絢爛さだったでしょうし、

よほどの人物でないと、

くつろいで日本についてなんて、

語れないような気がします。

 

皇太子王子 の誕生会などの

晩餐会にも出席していた、

という記録もあるそうで

本当に興味深い。

 

大河の主役にはなれないかもしれませんが、

初めての紅茶物語として

二時間ドラマくらい

製作していただきたいものです。

 

帰国後の記録に、

「ロシア人は茶に砂糖とミルクを入れて飲む」

と報告されていたそうで、

わ、、すでにミルクティーを飲んでいる!

 

当時の日本では

とんでもない贅沢品

だったでしょうけれど。

 

〈茶はトレツコイ(トルコ)とキタイスコイ(中国)より來る。

銀の壺にのみぐちをつけたる器に入れ、

熱湯をさし泡茶(だしちゃ)にして飲む。

是にも多く砂糖、牛乳を加ゆるなり〉

(北槎聞略(亀井高考校訂/岩波文庫)』より)

 

ロシアでも紅茶の値段は極めて高価なものあり、

(トルコと中国からの輸入品だったのですね)

一般庶民は、

〈蓮苺(くさいちご)の葉を乾かして〉

代用していた、

という記述もあったそうです。

 

金のメダルや金時計、

お茶に砂糖など

たくさんの餞別をもらって帰国した光太夫

 

行商用の行きの船で、

多くの豪華な荷物を載せていたことが、

太夫の運命を変えましたね。